目の前にある答えから学び、1000年先を見据える
目の前にある答えから学び、1000年先を見据える
おはようございます、Kawara王子です。
奈良に行く時に義父が手渡してくれた小冊子(巡る奈良実行委員会 祈りの回廊)になるほどと思った記事が載ってたので紹介します。
法隆寺、東大寺、薬師寺、興福寺など100ヶ寺以上の国宝建造物の修復に従事され宮大工の棟梁 滝川昭雄氏曰く。
何が面白いかというと難しいんですよ。何もかも分からないことだらけなのです。しかし、その分からないことの答えというのは私の目の前にある。例えば法隆寺は明日か様式の寺ですが、天平建築も鎌倉のものも室町のものもある。あらゆる堂宇がそれぞれの時代の建築の答えを示してくれていわけです。私たちの仕事は、その答えのから計算式を導き出すこと。どういう道具を使ったのか?その使い方は?と一つ一つ紐解いてゆく、つまり「答えから学ぶ」のです。奈良には1300年分の建築がありますからね。向こう1300年分は学ぶことがありますよ。そのためにも後進の育成は命題です。私がこれまでに得た知識は惜しみなく伝えたいです。いわば「多子相伝」。
日本は湿気が多く、木造建築を維持するにはこまめな修理が必要です。だからこそ大工の技術が連綿と伝えられることにもなりました。これからも、技術や道具について学び続け、礼儀や作法、木を見る目、人の育て方といった仕事に関するすべてのことを、ひたすら正しく広く伝承していきたいと考えています。
古い瓦が好きで、たびたびこのブログでも古い瓦のことを書いてますが瓦は当然のように建物の屋根にあるもの、建物が存在しないと瓦も存在しないんです。当たり前ですね。
瓦の古さに比例して建物も古い。特に日本の重要な建築は当たり前のように木造建築で1000年以上維持、修理を繰り返して現在に存在し続けています。
昨日のブログで紹介した元興寺の1400年前の瓦も1400年間元興寺を維持、管理してきた幾多の人の絶え間ない努力によって今も屋根の上にあり続けています。
建築を技術を後世に伝えるために1000年先を見据えて答えから学ぶ!
やっぱり日本の木造建築ってすごい!
これから古い瓦を観る時には建物を維持、管理し続けてきた人々に感謝しながら観ようと心に誓ったKawara王子でした。