漆喰が変色しただけで雨が漏るなら日本全国雨漏りだらけです!
こんにちは、Kawara王子です。
さあいよいよ屋根屋、瓦屋にとって1年の中で体力的にも精神的にも最も過酷な4か月が始まろうとしています。
毎年梅雨入りの6月初旬から梅雨明けの7月中旬までは毎日天気予報をチェックして、雨で工事が遅れることを想定しながら工事を進めていくのですが、遅れた工事もまた雨で遅れるという負のスパイラルに入ります。
さらに梅雨が終わると暑さと湿気で体力が奪われているところに台風シーズンが到来します。そうなると雨漏りの修理工事の依頼が連日のように舞い込んできます。これもまた雨と台風によって遅れ気味になることが多いのでどんどん雨漏りの修理工事がたまってきます。
こんな状況が10月初旬まで続くので体力的にも精神的にもかなりキツイ4か月なんです。まあ毎年なんとか乗りきってるんですけどね。
そんな過酷な4か月を目前に控えた今日は、雨漏りの原因としてよくお客さまから質問される漆喰のことについて書きましょう。
屋根の点検や雨漏りの調査でお客さまのところに伺ってよく耳にするのが、
「漆喰がボロボロになって雨漏りしそうだから」
「漆喰から雨漏りしていると思う」
など漆喰が原因で雨漏りをするという話。それと飛び込みの訪問業者に
「漆喰が痛むと雨漏りするからすぐに修理したほうがいいですよ」と言われたんですけど、という話。
長方形に瓦の下の白い部分が漆喰です。
屋根屋さんによっても様々な見解があると思うんですけど、ボクの意見としては、基本的に漆喰が原因で雨漏りがするということはほとんどないと言っていいと思います。
(注意:漆喰が完全に剥がれて中の土が露出していたり、過去の漆喰の修理で漆喰が何重にも重ねて塗られている場合を除きます。)
よくお客さまから、飛び込みの訪問業者に「漆喰が黒く変色してるから雨漏りするよ」って言われた。なんて話も聞くんですが、そんなことは絶対にないです!
漆喰が変色しただけで雨が漏るなら日本全国雨漏りだらけです!
お客さまや工務店さんから、予算の都合で雨漏りの修理を漆喰の修理だけでお願いしますと依頼されることがあって、漆喰の修理だけすることが稀にあるんですが、ほとんどの場合が雨漏り止まりません!
結局余分に修理代が掛かるだけです!
特にこれから梅雨、台風と雨の多い季節になって雨漏りが心配になります。
台風の時期に多い雨漏りが写真の棟、隅棟と呼ばれる部位からの雨漏りで、強い横風を伴う雨の場合に雨が漏ることがあります。その場合は漆喰の修理ではなく、棟、隅棟を積み替える修理が有効です。
(積み替え工事は、棟、隅棟の瓦を一度撤去し施工し直す工事です。)
棟、隅棟の瓦を撤去すると漆喰も剥がすので、施工し直す時に漆喰も新しくなります。
漆喰の修理をしなくてもいいと言ってるわけではないので、誤解しないでくださいね。漆喰は10年〜20年程度で劣化するので当然劣化してきたら修理してくださいね。